いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「私、もう寝るから。だから早く、私の前からいなくなって」
私の吐いた台詞に、周りがざわめくのが分かった。
「ひっでぇー」
「本当、あの子最悪」
「春斗、毎日松岡さんに話しかけるのもいい加減やめろよ」
私の悪口が、あっという間にクラス全体に広まる。
……こんなの、全然つらくない。
まだ、大丈夫。
私はまだ、耐えられる。
そう自分に言い聞かせながらも、この時の私は薄々気付き始めていた。
私の心が、もう今すぐにでも壊れてしまいそうなことに。
“私自身”が、助けを求めるSOSを出そうとしていることに。