いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


放課後。


私はまるで死刑宣告をされたときのような気持ちで、屋上へと続く階段を上る。


《今日の放課後、屋上》

《こなかったら、ぶっ殺す》


そんな物騒な紙切れが、また私の机の中に入っていたからだ。


───キイィ……。


少し錆びついたドアを押せば、頭上には真っ青な空が広がった。


………でも。


“きれい”なんて干渉に浸るひまもなく、私は仁王立ちで待ち構えている女子の軍団のもとへ向かう。


1、2、3………。


ざっと、10人くらいはいるだろうか。


みんな、規定よりスカートを短くまくしあげ、派手でゴテゴテなメイクをしている子たちばかり。


< 44 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop