いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
「ふふっ、いい気味よ」
彼女が口元を緩めて、怪しく笑う。
私、なにやってるんだろう………。
一時間と少しかけて高校まできて、イジメられて。
心だけでなく、体までボロボロにされて。
こんなはずじゃ、なかったのに。
私の思い描いていた高校生活は、もっと楽しくてまぶしくて、キラキラしているものだったのに。
……ああ、ひとりで頑張ろうなんて思うんじゃなかったよ。
私、本当にバカ。
もう、無理だよ………。
ねぇ、誰でもいいから、お願い。
一人ぼっちの私を、助けてよ………。
そう思って、涙が溢れそうになったそのとき。
「松岡さん!」
私の心の叫びに応えるように、誰かが私の名前を呼んだ。