いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
そしてそのしわがなくなったと思ったら、彼は私に背を向ける。
「………?」
荒嶋くんのやりたいことが分からなくて、そのまま動けずにいたら、彼は顔だけをこっちに向けた。
「はい。おぶってやるから。乗って」
その言葉に、私の頬がゆでダコのように真っ赤に火照る。
「そ、そんなこと、できないよ」
私があわてて否定すると、
「俺、松岡さんが乗るまで動かないよ?足、痛いんだろ?遠慮しなくていいから」
って、彼が言う。
だから私は仕方なく、本当に仕方なくだからね?
彼の背中にゆっくりと体を預ける。