いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
でも、荒嶋くんが嘘を言っているようには聞こえなかった。
「だから松岡さん、友達になって?……いや、もう俺と松岡さんは今日から友達ね。だからなにかあったら、俺を頼って」
その言葉に胸が熱くなって、ふと涙がこぼれそうになった。
「……んで」
「ん?」
「な、んで………私なんかと、友達になってくれたの……?私、あんなにひどいことばっかり言ったのに……」
荒嶋くんは数秒考える素振りを見せてから、屋上のドアに手をかけ、言った。
「初めて会ったときから、気になってたからかな。気付けば松岡さんは、俺の中で大切な存在になってた」
私の息と胸の鼓動が、一瞬止まる。