いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
告白まがいなことを言われてどうしようかと思ったけど、荒嶋くんはそんなつもりで言ったわけじゃないみたい。
………なんだろう、この気持ち。
荒嶋くんは、瑠希とは正反対なのに。
かけてくれる言葉も口調も、優しさの大きさも。
この、背中だって………。
瑠希とは全く違うものなのに。
なんで私、こんなにもドキドキしてるんだろう。
どうしてこのまま、時が止まってほしいと思ってるんだろう。
なんで、なんで。
もっと、荒嶋くんに触れていたいと思っちゃうんだろう……。
私の中に芽生え始めた、小さな淡い蕾。
私はそんな蕾に気付かないふりをして、彼の首にまわしている自分の両腕にグッと力を込めた。