いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
………でも、言えなかった。
この憎たらしい病気のせいで。
ねぇ、春斗。
ごめんね。
私のこと好きだって言ってくれたのに、春斗の気持ちに応えられなくて。
それどころか、春斗を期待させて、嘘までついちゃって。
本当に、ごめんなさい。
どこまでも卑怯で臆病な私を、どうか許してください。
そして、春斗も幸せになってね。
いつまでも、優しく笑っててね。
どこまでも優しいきみには、いつかも言ったように、笑顔が一番よく似合ってると思うから。
………じゃあね、春斗。
………じゃあね、私の恋心。
この日、私が泣きやんだのは、午後7時。
まだ少し明るく、でも、星が顔を出し始める頃だった。