いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。


今日もお母さんに“行ってきます”と元気な声で言ってから、家を出た。


そして最寄りの駅まで行くと、私はいつも通りの電車に乗る。


電車の車窓から見えるのは、あの頃よりもっと色濃く芽吹いた木の葉たち。


私の頭の中には、今でも大好きな春斗の顔がちらつく。


………春斗に別れを告げた日から、もう2週間が経ったわけなんだけど。


私はもちろん、学校で一人ぼっちだよね………。


それも当たり前だ。


私に唯一話しかけてくれていた春斗が、もう話しかけてもくれなくなったんだから。


これも全て分かってて、自分が決めたこと。


だから、どれだけつらくても、どれだけ寂しくても。


我慢しなくちゃいけないんだ………。


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