いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。
日田原駅に着いた電車は、私たちの高校の生徒や通勤会社員を降ろし、また次の駅へと向かう。
私は定期を握りしめ、改札口を通ると、時計に目を移した。
───8時10分。
私たちの学校の始まりを告げる始業のチャイムが8時40分に鳴るから、まだ時間は大丈夫。
私はスクールバックの中から財布を取り出すと、自販機の前まで行き小銭を入れた。
160円ぴったりを入れると、オレンジジュースの下のボタンにランプがついたから、私はそのボタンを押す。
すると、ガタンと音をたてて、ペットボトルのオレンジジュースが出てきた。