風旅記
夢
小さな少年がいる。
私の方をみて、 姉さん! と手を降っている。手を降りかえす事はない。
上等な衣服の少年と、裾の擦り切れた質素なドレスを着た私とでは、一緒に居ることができなかった。
腹違いの兄弟なのだが、知っていて
姉さん とよんでくれているのだろうか。
少年の父が、ふらっと浮気した相手。
それが私の母だった。
母はそろそろ死を迎える。
私はこれからどうしたら良いのだろう?
頭の良かった私に、せめてもの償いなのか、父は少年の先生として私を住み込みで雇った。着るものも、何もかも与えてもらった。少年は嬉しそうだった。
やっと、一緒に居られるね。姉さん
分かって居たのだろう。もしかしたら少年が図ったのかもしれなかった。
しかし、少年の母は良く思わない。
何回も殺されかけた。
その何回目か、不運にも屋敷全てを焼いてしまった。私は助けようとした猫と一緒に焼かれ、少年は記憶がとんでしまった。
気がつくと私は猫となり少年の隣にいた。
そして、宛のない旅がはじまる。
そんな夢を見た。
長々と何だったんだと思った。
気がついたら、涙が溢れていた。
止まらなくて、声をあげてないた。
どうしたの!?猫さん!
なんでもねえよ、なんでもねえよ!
そっと、少年の腕に抱かれる。
大丈夫、僕が守る
いつの日か聞いた言葉。
お母様が怖い?
大丈夫、僕が守る
だから、
安心して
二つの声が重なって聴こえる。
そっと笑みをこぼした。
大丈夫、怖くなんかない
君が居てくれるなら
小さな少年がいる。
私の方をみて、 姉さん! と手を降っている。手を降りかえす事はない。
上等な衣服の少年と、裾の擦り切れた質素なドレスを着た私とでは、一緒に居ることができなかった。
腹違いの兄弟なのだが、知っていて
姉さん とよんでくれているのだろうか。
少年の父が、ふらっと浮気した相手。
それが私の母だった。
母はそろそろ死を迎える。
私はこれからどうしたら良いのだろう?
頭の良かった私に、せめてもの償いなのか、父は少年の先生として私を住み込みで雇った。着るものも、何もかも与えてもらった。少年は嬉しそうだった。
やっと、一緒に居られるね。姉さん
分かって居たのだろう。もしかしたら少年が図ったのかもしれなかった。
しかし、少年の母は良く思わない。
何回も殺されかけた。
その何回目か、不運にも屋敷全てを焼いてしまった。私は助けようとした猫と一緒に焼かれ、少年は記憶がとんでしまった。
気がつくと私は猫となり少年の隣にいた。
そして、宛のない旅がはじまる。
そんな夢を見た。
長々と何だったんだと思った。
気がついたら、涙が溢れていた。
止まらなくて、声をあげてないた。
どうしたの!?猫さん!
なんでもねえよ、なんでもねえよ!
そっと、少年の腕に抱かれる。
大丈夫、僕が守る
いつの日か聞いた言葉。
お母様が怖い?
大丈夫、僕が守る
だから、
安心して
二つの声が重なって聴こえる。
そっと笑みをこぼした。
大丈夫、怖くなんかない
君が居てくれるなら