ギュッとしてバギー
巣で寝ているライオンの家族が目に入りました。
バギーは立ち止まり、
寂しい顔でそれを見ます。
ライオンの親子が
とてもうらやましいのです。
だって巣の中で体を寄せあって寝ているのですもの……
バギーは生まれ付き鋭いトゲを持っていました。
バギーのお母さんはもういませんが
生きてる時はトゲトゲを仕舞って生活していました。
ハリネズミはトゲをパタンと身体に
沿わせて、収納する事が出来るのです。
でもバギーは生まれ付き収納する事が出来ないトゲトゲだったのです。
だからいつもピンピンにトゲが立っていてお母さんですらバギーを抱きしめた
事がなかったのです。
寝ているライオンの子供が寝ぼけながらにお母さんライオンに甘えます。
「ムニャムニャお母さん寒い……」
それを聞いたお母さんライオンは
子供ライオンを
ギュッ!
と抱きしめるのでした。
ポタン………
バギーの目から
涙が一粒こぼれました。