月下美人が堕ちた朝

ヒトの暖かさとか、ヒトを愛しく思う気持ちとか、誰かを守りたいと思う気持ちとか…。
スバルじゃなきゃダメだった。

スバルが居なくちゃ、ダメになる。

あたしはカズヤに、変わりたい、と、言った。

大切なヒトを失わないように、傷付けないように、変わりたい、と、何度も言った。

今のままでは、あたしはまた誰かを傷付ける。

そして自分も、傷付けながら死んだように生きるのだろう。

カズヤはあたしの頭を撫でて呟いた。

「お前はそのままで良いんだよ」
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