月下美人が堕ちた朝
するとユウコさん笑って言った。
「嬉しい…。
この子の彼女、小食なのか、全然食べてくれないの。
アミちゃんより細いのよ?
初めて見たとき驚いちゃった」
お袋、と、カズヤはユウコさんの話を止めようとしたが、彼女は止めなかった。
「私はね、カズヤはアミちゃんと結婚すれば良いのにって思ってたの」
あたしもカズヤも一瞬言葉を詰まらせて、彼女の話を聞き始める。
「きっと二人は、前世で離れ離れになった恋人同士なんだって思ってた。
だからいつも手を繋いで、お互いを想い合っているだろうなって。
だけど、外れちゃった。
残念だけど、二人がそれぞれ幸せになってくれればそれで良い。
たまにこんなふうに三人でご飯食べれれば、私は幸せ」
これ以上素敵な女性を、あたしは知らない。
こんな綺麗な言葉を簡単に扱えるユウコさんを、あたしはまた大好きになった。