月下美人が堕ちた朝
「それから心を病んでね。
自分でもどうして良いのか分からなかったみたい。
実際に、昔の恋人との子供が欲しいと思っていたから。
お父様やアヤちゃん、アミちゃんに罪悪感を感じて、それを打ち消すことに必死だったみたい。
ただアミちゃんを傷付けることが、お婆様への当て付けなんだと、言ってたわ。
この子は自分の子供だという証だ、って…」

どうして今になって、ユウコさんの口からそんな話を聞かされたのか。

本当に聞きたかった場面は、今日じゃない。

本人の口から、聞きたかった。

許すことは、出来ないけれど。

あたしはユウコさんに理由を聞いた。

「アミちゃんがカズヤの部屋で休んでるとき、丁度お母様から電話がきたのよ。
アミちゃんが来てることを伝えたら、自分の話をしてやってくださいって、言われたの。
アミちゃんが二十歳を過ぎたら、自分で話そうと思ってたみたいよ」
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