月下美人が堕ちた朝
20060725pm09:03
懐かしいホットミルクの味。
だけどユウコさんが作るそれは甘ったるくて、砂糖をそのまま飲んでるみたいだ。
あたしは少しだけ、本当に少しだけ、母親の作るホットミルクが恋しくなった。
二口程飲んで、あたしは帰ることをユウコさんに言った。
さっきのあたしの言葉ですっかり落ち込んだ彼女は、あたしに何故か「ごめんね」と言った。
ユウコさんは悪くないのに、と、あたしはぼんやり思いながら作り笑顔で話をそらした。
「また来てね」
あたしは頷いてダイニングを出る。
何だかユウコさんの切ない声が、ずっと耳の中で繰り返された。
あたしはカズヤの部屋のドアをノックして開ける。
カズヤは勉強机に座っていて、あたしが部屋に入ると同時にテレビを消した。
帰ることを告げると、彼は深刻そうな顔で、座れ、と、言った。
「座れ。
お前に何個か質問がある。
重要なことだ」