月下美人が堕ちた朝
20060726am00:12

とても恐ろしい夢を見た。

あたしは何故かサクラザワ公園に居て、目の前にはスバルが居る。

何度も彼の名前を呼ぶのに、振り返ってくれようとはしない。

あたしは必死に追い付いて、彼の右腕を掴むと、スバルは大きな声で叫んだのだ。

「気持ちわりぃな。
嫌いなんだよ。
好きじゃねぇ。
お前おかしいよ。
何で勝手にあんなことしたんだよ」

‐オ前、狂ッテンジャナイノ?‐

吐き捨てたようにして、彼はまたあたしに背中を見せる。

あたしは気持ちとは裏腹に、とても冷静に「さよなら」と、それに向かって言った。

そして彼の背中に三つの赤い花を咲かせたのだ。

残酷なまでに美しい、真っ赤な花を。

夢の話だ。

罪の意識に捕われすぎて、悪夢を見てしまった。

目を開けると、そこには見覚えのない天井が映り、心電図の音がする方を見ると、後頭部に鈍痛が走った。
< 129 / 196 >

この作品をシェア

pagetop