月下美人が堕ちた朝
20060726am02:11
別にね、何かが欲しかったわけじゃないの。
別にね、何かをして欲しかったわけじゃないの。
ただ同じ時間に寝て、起きて、三食向かい合わせにご飯を食べて、今まで感じたことのない「普通の幸せ」ってやつを感じてみたかっただけ。
本当に、それだけだったんだから。
あたしは薬指にリングをはめたまま、クローゼットを閉めた。
今まで以上に体が脱力し、頬に暖かい液体が無意識に流れている。
悲しくはない。
自分の馬鹿さ加減に、呆れて涙が出てくるのだ。
だけど泣いてる場合じゃない。
一秒でも早くスバルのところへ行って、抱き締めたい。
何度もあたしを抱き締めてくれた、あの華奢な体を、今度はあたしが抱き締めてあげたい。
きっとそれはもう、あたしを抱き締め返してはくれない。
暖かさも温もりも柔らかさもないのだろう。
それでも良い。
あたしが暖めてあげる。
別にね、何かをして欲しかったわけじゃないの。
ただ同じ時間に寝て、起きて、三食向かい合わせにご飯を食べて、今まで感じたことのない「普通の幸せ」ってやつを感じてみたかっただけ。
本当に、それだけだったんだから。
あたしは薬指にリングをはめたまま、クローゼットを閉めた。
今まで以上に体が脱力し、頬に暖かい液体が無意識に流れている。
悲しくはない。
自分の馬鹿さ加減に、呆れて涙が出てくるのだ。
だけど泣いてる場合じゃない。
一秒でも早くスバルのところへ行って、抱き締めたい。
何度もあたしを抱き締めてくれた、あの華奢な体を、今度はあたしが抱き締めてあげたい。
きっとそれはもう、あたしを抱き締め返してはくれない。
暖かさも温もりも柔らかさもないのだろう。
それでも良い。
あたしが暖めてあげる。