月下美人が堕ちた朝
スバルがマナミに、あたしの相談をしていた?
何故?
貴女は…と、マナミが言った。
「貴女は…スバルを愛していたの?
愛されたいと求めるばかりで、スバルに何をしてあげたの?
恋人ごっこ以下ね。
自分の思い通りにならないと気分を損ねる、幼稚園のおままごとだわ」
話すにつれて口調が強くなるマナミに向かって、ちょっと、と、ツバキさんが口を挟んだ。
「ちょっと、スバルが何言ったか知らないけど、それをこの子の前で言うことないでしょう?
大人げない」
マナミは少しだけ悔しそうな顔をして、また静かに話始めた。
「誰に何を言われても構いません。
私は本当のことを、お話しているだけですから。
私とスバルは、恋人よりも深い関係でした。
もしかしたら、本当のご家族よりも…」
最低、この女。
あたしはマナミの長い髪を思いきり引っ張って、倒れ込んでから頬を殴った。