月下美人が堕ちた朝
20060725am09:42
「ただいま」

「おかえり」

そう言って抱き締しめたのに、あたしの体を振りほどいて、部屋の中に入っていきました。

彼は機嫌が悪そうでした。

そんなことは珍しいことじゃありませんでした。

だからあたしは黙って、サラダとクリームパスタを作っていたんです。

あたしは単純なミートソースが好きだけど、彼へのご褒美だと思って。

野菜が嫌いだけど、あたしが食べさせてあげると、しかめ顔をしながら食べてくれるんです。

仕事でお酒ばかり飲んでいるから、栄養バランスを考えて、サラダも作ったんです。

トマトを半分に切って、また半分に切ろうとしたときに、彼、言ったんです。

「疲れた。
別れよう」

って。

その時あたし…ごめんなさい。

はっきり覚えてないんですけど、料理を半分にしてスバルの横に座ったような気がします。

「なんで?
愛してるんでしょ?
側にいるって言ったじゃない」
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