月下美人が堕ちた朝

だけどねカドワキさん。

あたし、母親になるんですよ。

此処に赤ちゃん、いるんですよ。

勿論、スバルの子ですよ?

男の子だったら、名前は空で、女の子だったらサクラにするんです。

可愛いでしょ?

きっとスバルに似て、目が大きくて生意気そうな笑顔で笑うと思うんです。

早く逢いたいな…。

産みたいんです、あたし。

良いですよね、産んでも。

もう、独りにはなりたくないんです。

ねぇ、二人とも黙ってないで何か言ってくださいよ。

あたしおかしいですか?

こわいですか?

めんどくさいですか?

疲れますか?

狂ってますか?

ねぇ、タマキさん。

どうしたんですか。

何か言ってくださいよ。

え?

なんですか?


「クソガキが。
命をなめるんじゃねぇよ」
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