月下美人が堕ちた朝
何があっても忘れないように。
お前と過ごした二年を、一生忘れない。
だからお互い絶対に幸せになろうな。
もし万が一、どこかで再会しても、俺のこと無視して良いから。
俺もそうする。
そうじゃなきゃまた、俺たち好き合うに決まってるし。
俺を嫌いになってくれるなら、
アミが幸せになれるなら、
俺はお前を傷付けても良いと思ってる。
いくらでも悪者になるよ。
最後に…
本当に最後に。
アミだけを愛してる」
馬鹿。
スバルは本当に馬鹿。
そしてあたしはそれ以上に愚かだ。
愛されてた。
愛してくれてた。
近くに居すぎて気付けなかった大切なこと。
あの夜、公園であたしを罵倒したのは、自ら悪者を演じたからなの?
スバルをこんなふうにしたのはあたしの病気のせい?
ふざけんな。
病気のせいにする自分が心底憎い。
あたしは立ち上がりカドワキに言った。
「あたしは幸せです。
今も昔もこれからも。
最高の恋だった」
蜂が泣き叫ぶ。
夏の終りはほど遠い。
これは綺麗な恋愛じゃないのです。
だけどあたしは本当に
スバルじゃなきゃダメだった。