月下美人が堕ちた朝

おぼつかない足取りで、あたしはベッドに仰向けになる。

胃のムカつきが収まったら、リンカに逢いに行こう。

このまま独りでいたら、あたしまでドロドロになってしまいそうだ。

目を瞑ると、スバルの笑顔が浮かんでは消え、あたしの胃をまた痛みつける。

スバルはきっと、あたしの一部だったんだろう。

だから切り離さられると、こんなに痛みが生じるんだ。

スバルは、あたしがいなくなったことで、何を失い何を得たのだろう。

あたしに残されたものは、どうしようもない孤独感と痛み。

失ったものは、数えきれない。

全てを取り戻せる日はくるの?

それとも全てを、忘却すれば良いの?

包丁の在りかみたいに、忘れてしまえば良いの?

ねぇ、スバル。

「教えてよ…」
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