月下美人が堕ちた朝
あたしは、座り心地が悪いくらいフカフカな椅子に座らせられた。

さっきの兄ちゃんが、訳の分からない言葉でコースの説明をするが、あたしの注文は簡単だ。

テーブルの上に札束を投げて、スバルが好きなドンペリを全部持ってくるように言った。

足りない分は、スバルの客になすりつけるつもりだった。

「ありがとうございます」

あたしを太い客だと思ったのか、彼は急いでこの店のNO.1を連れてくる。

あたしは誰が来るのか分かってる。

腕組みをして、顔を伏せたままNO.1が来るのを待った。

スバルの驚いた顔を浮かんでは消し、樮笑んでいた。

すると突然、あたしは右頬に強烈な痛みを感じた。

騒然とするホールの中で、スバルが叫んだ。

「ふざけんな。
てめぇ何様だ」

あんな風に殴られたのは、母親以外いなかったから、あたしはスバルにとてつもない拒絶反応を示してしまった。
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