月下美人が堕ちた朝
20060725am11:47
左腕に、ヒステリックグラマーのゴツくて重いブレスレットをつける。
左手の薬指に、指輪はしない。
スバルとペアじゃなきゃ、意味がないから。
あたしは長く伸びた髪を適当にブラッシングする。
「俺がやる」
そう言って、三十分でも一時間でもスバルはあたしの髪をとかすことがあった。
そういう時は、大抵ホストクラブに来た客を抱いた次の日だ。
後ろめたい気持ちがあるのか、やけに優しくしてくれた。
その時のクダラナイ会話を、今でもはっきり覚えてる。
「次はリンカと何処に行こうか?」
「それとも二人で旅行にでも行く?」
「たまにはのんびり、映画も良いね。
その後、うまいもん食べに行こ」
スバルはあたしに沢山のことを提案してくれたし、その大半は叶えてくれた。
だけどあたしはその度に自己嫌悪に陥いるのだ。