月下美人が堕ちた朝
20060725pm03:25
リンカは一頻り泣いた後、あたしの腕の中で眠りについた。
泣きすぎたせいか、瞼が少し腫れてしまっているのが痛々しい。
ごめんね、と、呟いて、前髪をそっと撫でてやった。
そういえば、スバルともこんなことがあったっけ。
二人で狭いベッドで眠っていたのに、突然彼が泣き出した。
夢現だったあたしは、泣き声で目を覚まし、スバルに涙の理由を問うた。
悪夢でも見たのか。
どこか痛いのか。
彼は黙って否定して、ポツリと言った。
「死ぬのが怖い」
あたしは意味が分からず、ただ泣きじゃくる彼を抱き締めた。
もしかしたら、自分が知らないだけで、スバルは余命わずかな病人なのかと聞いたが、そうじゃない、と、言う。
彼は苦しそうに話始めた。
「そうじゃない。
だけど小さい頃から考えていた。
ヒトは死んだら、どうなるんだろうって」