月下美人が堕ちた朝
あの日のことは良く覚えてる。
雲一つない青空で、少し歩いただけで汗がにじむような、そんな暑い春の日だった。
あたしたちは、リンカを真ん中にして三人で手を繋いでサクラザワ公園に向かった。
もっと遠出をしても良かったのかもしれない。
だけど、すれ違いが多くなっていたあたしたちにとって、原点に戻る意味もあった。
リンカはどんな場所でも、スバルがいれば楽しそうだったし、良く笑った。
「あのね、おかしいっぱいあるから、ふたりにもちゃんとあげるからね」
アヤねぇが背負わせたマリーちゃんのリッュクを嬉しそうに揺らしながら、リンカはあたしたちの顔を交互に眺めた。
「じゃーリンカにも、俺が作ったサンドイッチあげるよ。
特別」
あたしは二人の会話を聞いて、笑いそうになる。
リンカのリュックに入っていた沢山のお菓子は、アヤねぇがこっそり少なくしていたし、サンドイッチもスバルはラップに包んだだけだったから。
雲一つない青空で、少し歩いただけで汗がにじむような、そんな暑い春の日だった。
あたしたちは、リンカを真ん中にして三人で手を繋いでサクラザワ公園に向かった。
もっと遠出をしても良かったのかもしれない。
だけど、すれ違いが多くなっていたあたしたちにとって、原点に戻る意味もあった。
リンカはどんな場所でも、スバルがいれば楽しそうだったし、良く笑った。
「あのね、おかしいっぱいあるから、ふたりにもちゃんとあげるからね」
アヤねぇが背負わせたマリーちゃんのリッュクを嬉しそうに揺らしながら、リンカはあたしたちの顔を交互に眺めた。
「じゃーリンカにも、俺が作ったサンドイッチあげるよ。
特別」
あたしは二人の会話を聞いて、笑いそうになる。
リンカのリュックに入っていた沢山のお菓子は、アヤねぇがこっそり少なくしていたし、サンドイッチもスバルはラップに包んだだけだったから。