月下美人が堕ちた朝
子供が二人いるみたいで、あたしは笑った。

我に還ったスバルも、恥ずかしそうに笑って「早く!」と、お弁当を急かした。

リンカは自分のリュックをベンチの上にひっくり返して、大好きなお菓子を並べ始める。

「おいリンカ。
お菓子は後で。
先にサンドイッチ食えよ」

とっくにサンドイッチを二つ平らげていたスバルが、リンカの頬を指でつつきながら言った。

するとリンカが、あれ?、と、言った。

「あれ?
イチゴのキャラメル、いっぱいあったのに二つしかない。
なんで?
アミちゃん食べたの!?」

あたしはアヤねぇが、お菓子を抜いていたのを思い出して、誤魔化していたが、リンカが泣き出しそうになった。

すると突然スバルが、イチゴキャラメルを一粒リンカの口に入れた。

そのせいでリンカがとうとう泣き出し、大声で叫んだ。

「スバルにぃちゃんにも、アミちゃんにも、あげたかったのに…!」
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