月下美人が堕ちた朝

許されること。

それがどんなことよりも痛かった。

罵られることよりも、馬鹿にされることよりも、母親に殴られることよりも…。

カズヤがあたしを守ってくれた。

昔も、今も。

あたしは大きくなったカズヤの背中に頬を当てて呟いた。


「もう一度キスして」
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