緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情
探せと言われても
探せって言われても、僕が今まで生きてきた16年の間で見たドラゴンは、僕と葉月のの2匹だけ。じいちゃんがここにはいないって言うぐらいだから、本当にいないんだろうなぁ。あぁ〜、どうやって探せばいいんだか…。
部屋に戻ってベッドに寝転んでため息をついていると、
「入るぞ」
と、父さんがやって来た。仕方なく、僕は起き上がって、ベッドの淵に座り直し、父さんは勉強机の椅子に座って、こっちを向いた。
「なに?どうしたの?」
「さっきの話だけどな」
「さっきって『結婚』の話?」
「ああ」
そう言って父さんは、天井付近でユラユラ漂うドラゴンをチラッと見上げた。