緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情
「んじゃ、行こか」
笑顔の笑くんに連れられて、最寄りの駅から電車に乗り込んだ。一応、電車の中でも、グリーンドラゴンがいないか、チェックして網棚辺りに視線を向けては見るけど、まぁ、いない。いるのは空気が悪いのが不満なのか、いつもよりやや眉が釣り上がってる気がする僕のドラゴンだけ。
「どこ見てんの?」
「あ、いや、何処まで行くのかな〜って思って」
「ああ、次の次まで」
「え?次の次?」
それって、自転車で行ける範囲じゃ…。
「あ、今、自転車でよかったんちゃうんって思ったやろ?」
「あ、いや、そんな……思った」
「俺ら、ロッカーやんか?」
「俺ら?」