緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情
駅のホームを出て2、3分歩くと、笑くんはピタッと歩くのを止めた。
「ここやで」
と、地下に伸びる階段を指差した。そして、スタスタと階段を下りて行く。僕も続いて階段を下りた。
下まで降りると扉1枚のスペースにドアがあり、笑くんが引き開けると、薄暗い空間が広がっていた。
「ここが、何?」
「俺らが1番やったみたいやな」
そう言いながら笑くんは壁にあったスイッチをオン。一瞬にして明るくなった。
「わっ!」
思わず声が出た。明るくなって良く見ると、当たり前なんだけど、まさにここはライブハウスだった。奥が一段高くなってて、ステージになってる。ステージの上にはドラムセットが置いてある。