緑龍(ｸﾞﾘｰﾝﾄﾞﾗｺﾞﾝ)恋愛事情

「今日のライブって、ここでやるの？」

「そうやで」

って答えながら、笑くんは、舞台横の音響の機材をいじり始める。

「何やってんの？」

笑くんの後ろから機材を覗き込む。

「あん？ほら、俺、一応ヴォーカルだから、マイクチェック」

と、笑くんはマイクスタンドに差してあるマイクを引き抜いて手に持ち、

「あ、あ、チェック、チェック」

と、マイクで声を響かせた。うわ〜、なんか、本物だぁ。カラオケボックスの響きとはなんか違うぞ。プロっぽい笑くんが急にかっこよく見えてきた。と、その時、

「うぃ〜す」

「早いな、笑」

と、二人の男の人が入ってきた。

「うぃ〜す」

て、笑くんは二人に挨拶すると、僕の肩を掴んだ。