緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情
「草ちゃんくんは、ピアノどのくらい弾けるの?」
って、フカザーさんは、手を離してすぐに聞いてきた。
「どのくらいって…」
どのくらいって答えればいいんだろ?悩んでると、フカザーさんは鞄から楽譜を出して、
「これ、弾ける?」
と、僕に差し出してきた。出された楽譜を受けとって、とりあえず目を通す。
「どう?弾けそう?」
「…ちょっと練習させてもらえれば、多分、弾けると思います」
「さすが、草ちゃん。な、俺が言った通りやろ?いつも草ちゃんがピアノの練習してるの聴いてんやから。草ちゃん、上手いんやって」
と、笑くん。そっか。中学までは、それなりに頑張ってたから、笑くんちには、迷惑になるくらい聞こえてただろうなぁ。