緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情
「草ちゃん、ちょっと、キーボード弾かせてもらったらええやん」
って、笑くん。いや、弾かせてもらわなくてもいいから。ここは断っとかなきゃ。
「いや、今からリハーサルなんでしょ?邪魔しちゃ悪いから」
「そうだな。今日は時間がないから、一通り音出しして、その後時間があったら、草ちゃんくんに弾いてみてもらおっか。って、時間、大丈夫?」
って、フカザーさん。
「あ〜…」
って、言いかけたら、僕が答えるより先に、笑くんが、
「今日は、本番まで見ていけるやんなぁ」
って、めちゃめちゃ笑顔をこっちを見た。ヤバい、こ、断れない…。
「…う、うん」
「そっか。良かった。じゃ、とりあえず、その辺の椅子に座って見ててよ」