緑龍(グリーンドラゴン)恋愛事情

「この辺りはうち以外にはいないからな」

って、じいちゃん。正直、まだ結婚なんて考えた事なかったし、真剣に誰かを好きになったこともないんで、他人がドラゴンを連れてない事に何の違和感も感じてなかったけど、それって、考えてみればとってもヤバイ状態って事なんだ…。

「普通の人間には、ドラゴンが見えないから、『あそこにいたぞ』って、教えてくれる人もいないしな」

って、父さん。

「ドラゴンの話はタブーですからね」

って、母さん。

「タブーって?」

「母さんも噂でしか知らないんだけど、ドラゴンって、緑だけじゃないらしいわよ」

「え?他の色もあるって事?」

「ええ。だけど、ドラゴンの話って普通の人間にするのはタブーだし、自分の同じ色のドラゴンしか見えないから、他の色の人と話す事なんてないでしょ?」

確かに。

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