明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「証拠隠滅だ」

 誰かがそういったのをきっかけにくすくすとクラス中で笑い声が起こる。

 正岡は怒りに手を震わせながらも、生徒の出欠を確認して教室の外に出ていく。

 正岡が出て行くと、今度は写真を撮った生徒がその写真をどう料理するかで相談していた。

「この相手が分かれば面白いのにな」

「この学校の先生とか教え子じゃないよね」

「それだったら最高だったのに」

「誰がこの写真撮ったんだろう。もっと他の角度の写真も見てみたいよね」

 正岡は芽衣の一見の対応は悪いが、担当している数学の教え方もうまく、父兄からは良い印象を持たれている。

このことが広まれば、周囲の正岡へのイメージが大きく変わるだろう。
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