明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 似ていなくもないとは思う。だが、化粧をし、髪の毛を染め、顔の印象少し違っているため断言はできない。

「あの写真をお姉ちゃんに見せたら、同級生に似た顔の子がいると教えてくれたんだ」
「よくわかんないけど、そういうならそうなんじゃない?」

 そう面白そうににやにや笑っているのは遠藤君だ。
 同一人物の可能性もなくはないだろう。

 これが本当のことかはわからない。
 世の中には似た顔の人もいるとも聞くし、最悪の可能性が重なり、他人の空似がないとはいえない。

 でも、似た顔を見つけそれを断定したらそれがこのクラスの中では真実となるのだろうか。

 私はすっきりしない気持ちを抱き、自分の席に戻ることにした。
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