明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 亜紀子はその日以降学校に来なくなった。そのブログの暴露はクラス内の彼女たちのイメージを一変させた。

 由紀と明香は学校に来ているが、ほとんど誰とも話さなくなった。良く二人で一緒にいるのを目にする。

「正岡先生は先日、退職されることになりました。みなさんには挨拶ができなくて申し訳ないということです」

 自主退職なのか、解雇なのかは分からないが、少しして正岡が学校をやめるという連絡が入った。佐田先生が急きょ担任となり、クラスでは当然という声が上がっていた。

 そして、岡部が面白半分で言い出した呪いという解釈が学年に広がりつつあった。

 優香はあれからしばらく熱を出して寝込んでいたようだ。そして、優香の母親から芽衣に対するいじめについて話を聞く機会があったといった。それまで彼女は娘に学校に行くように促していたが、もうそうするのはやめるとのことだった。

 彼女を三学期からどこかに転校させようと模索していると聞いた。

 結局優香とその両親が決めることだ。私にはとやかくいう事は出来ないので「そうですか」とだけ返事をしていおいた。
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