明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「詳しい事情は分からなけど、誰かの両親がクラスメイトを訴えるかもしれないといっているらしいとは聞いた」

「確かにそれじゃわからないか。クラスメイト、おそらく古賀達だろうけど、俺にいじめられたと訴えているんだってさ。ああいうことしておいて良くやるよ」

「いじめ?」

 そういえば彼は明香に対して必要に追及はしていた気がする。その発端が明香たちのしたこととはいえ、いじめと感じるならいじめなんだろう。

 調子が良すぎるとは思うけれど。

「それは私も思うけど、向こうにも訴える権利あるもの」

「何で永井は死んじゃったんだろう。あいつらだって」

 彼は悔しさを滲ませていた。

 私は正直意外だった。岡部君の印象は明るくてお調子者だ。

芽衣がいなくなっても、どちらかといえばその場だけで悲しむタイプだと思っていた。

だが、今の彼はそうは見えなかった。
< 131 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop