明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 発端は明香のサイトが作成されたときだろうか。

 だが、ふと修学旅行のやり取りが脳裏に浮かぶ。

 修学旅行の時も明香は荷物が隠されたと言っていたのだ。

 確かに座布団の間に自分の荷物をはさむなんて面倒なことはなかなかしない気がしたのだ。

 ただ、あそこからカウントすると、男子の可能性は極めて低い気がした。

 男子と女子の部屋は明確に区別されており、女子の部屋の周囲に男は近づかないようになっていたのだ。

 実際、女子生徒の部屋周辺で男子の姿はほとんど見かけなかったのだ。

 そこに男子がうろついていれば否が応にも目立ってしまい、自分が犯人だと自白しているようなものだ。

 ここまで尻尾をあらわさない犯人が、そんなミスを犯すわけがない。


 だが、それぞれに別々の犯人がいるとしたら、特定は不可能だ。

 だからといってクラスメイトの前でその答えを問いかければ、別の効果を招くかもしれない。

 犯人を捜そうとしたり、その犯人がいじめの対象になるかもしれない。

 だから、そんなことをした相手を突き止めるべきだと思ったのだ。

「まずは犯人を捜してみるか」
「そうだね」

 私は岡部君の言葉に頷いた。
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