明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
意外な接点
 「何か感じ悪いよな」

 岡部君はため息交じりにつぶやく。私も彼を見て、短く息を吐いた。

 クラス内でのギスギスはまだ続いている。自分を守るための本能的な物と分かっていても、やるせない思いは尽きない。

 誰が犯人なのかは分からないが、もうここまで周りが疑心暗鬼な状態だともう何かをしたりはしないだろう。

 春になればクラスが変わる。
 それまでの辛抱なのかもしれない。

「このまま何もなければいいけどね」

 私たちはあれから何となく話をする機会が増えた。数少ない話を共有できる友人としてお互いを見ていたのだろう。

「そろそろ教室に戻るか」

 私たちは昼休みに教室の外で会い、校庭に出てきていたのだ。

 だが、教室についた時、いつもより周りが騒がしいのに気付く。

 ドアを開けると加古川絵里子が学校に出てきていて、彼女の周りをクラスメイトが取り囲んでいた。

「お前、良く学校に来れるよな」
< 155 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop