明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
絵里子を睨む。
「もう明香もいないし、別にいいじゃない」
「反省してんの?」
「何で、永田さんの死と私は無関係だもん」
その言葉にクラス中が凍りつく。そもそも彼女が学校に来なくなったのは明香に目を付けられそうだったからだ。
彼女にしてみれば明香がこなくなり、すっとしたというところだろうか。
そもそも積極的に加担していた彼女に、そんな良心があると思ったのが間違いだったのだ。
「お前、推薦受けたいって言っていたもんな。そのために来たんだろう?」
「それの何が悪いの? 私のせいだというなら証拠を出してよ。出せないくせにうるさい」
絵里子はそう辺りを見渡す。
周りが反論しないのを自分の勝利だと思ったのか、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「やばくね?」
「うん」
この言葉を聞き、犯人が何か行動を起こす事を怖れていた。
私が自分の席に戻ると、あゆみが冷めた目で絵里子を見ているのに気付いた。
私にもそうした表情を浮かべるあゆみの気持ちが理解できる気がした。