明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 私は芽衣のお墓参りに行くことにした。

 彼と最後にあって日数が経過している。まだ芽衣のお墓参りをしているとは限らない。

 だが、お墓に行くと、長身の男性の姿があったのだ。
 もうすぐ受験なのに、すごい。だが、それが彼の芽衣への思いの深さなのだろう。

 彼は私と目が合うと、会釈をした。

「久しぶりですね」

 私は芽衣のお墓に来ると持ってきた花を墓前に置き、手を合わせる。今までの経過を心の中で報告した。

 今の状況をどう思っている?
 もし、犯人を止めたいと思っているなら、力を貸してほしい。
 
 私は目を開けると立ち上がった。そして、自分の持ってきた花を松下さんと手分けをして、芽衣の墓前に添える。

 彼は小さな声で「ありがとう」という。

「途中まで送っていくよ」

 私は松下の言葉に頷いた。

< 158 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop