明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 彼女ならできただろうか。私は絵里子が再び学校に来た時、冷めた目で見ていたのを思い出す。

そして、クラスメイトが犯人捜しをしようとしていた時も、顔が青ざめていた。だが、それは外から見た印象でしかない。

 問題は実際に彼女が行動に移せるのか、だ。修学旅行の時、彼女は私にトイレに行くと言い、理科室に行く時も一度教室に戻った。

他のクラスメイトがいる前でどうやればいいかは分からないが、不可能ではない。写真の件も彼女には出来た可能性はある。

 だが、教室に閉じ込められた件はあゆみは私のすぐそばにいた。あれは不可能だ。

 共犯者がどこかにやはりいるのだろう。

「竹下さん?」

 私は松下の呼びかけで我に返る。

「ありがとうございました。約束は必ず守ります」

 私は彼女に聞けるだろうか。
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