明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「私、松下さんから聞いたの。あゆみと永田さんのこと。だから、こういうことはもうやめようよ」

「だから何もしていない」

 そう言い張るあゆみのところまで歩いていき、彼女の手にしたプリントに手を伸ばす。

 あゆみはそれを隠そうと、体の後ろに持っていくが私は彼女の後方に手を伸ばす。

 そして、その紙に印刷されている写真が私の視界に映った。

 そこに印刷されていたのは絵里子が芽衣をいじめるシーンだ。
 そして、私とあゆみが相互に引っ張ったため、紙が二つに分かれる。

 あゆみは顔をこわばわせ、微笑んだ。

「全て終わったのかな」

 彼女のその言葉が全てを物語っているような気がした。

 私の最後の望みが一気に砕け散る。

 彼女が犯人なんて考えてもみなかったのだ。

「あなただったのね」

「そうよ」

 あゆみは困ったように笑う。

「復讐のためにあんなことをしたの?」

「他に何か理由あると思う?」

 私は首を横に振る。

「聞いたかもしれないけど、私とあの子は母親の違う姉妹だった。私は愛人の子。彼女は本妻の子。こんな偶然ってありえないよね」
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