明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 周りに優等生として見られている私を敵に回すのは、面倒だと思っているのではないかと思ったのだ。

 もちろん、私の思い込みの可能性もあるが。

 校長と仲が良いというのは逆にもろ刃の剣という可能性もある。

 私が明香に嫌がらせをされて学校に行くのをやめたといえば、明香にとってマイナスに事が運ぶ可能性もある。彼女の両親に社会的な地位があるとしたら尚更だ。


 明香自身、世渡りがうまいというのか、そうした勘の良さは持っているタイプだろう。

 だからこそのあの結果なのかもしれない。

「はっきり言われて堪えたのかもしね。だれも彼女にはっきり言う人はいないから」
「そうかもしれないね」

 彼女に苦手意識を持たれているとしたら、これ以上のことはない。

 芽衣に対するいじめもやめてくれればいいのだけれど。

 
「でも、はっきり言うのは勇気がいりそう。彼女の両親のこともあるし、あの目で凄まれると足がすくむ」
< 17 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop