明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 あゆみはふふっと笑った。自虐的に見えるような笑みだった。

「私のことで両親の喧嘩が耐えなかったらしいと教えてくれた。だから彼女は私を恨んでいると思っていた。でも芽衣の答えは違った」

 あゆみは拳で彼女の頭を小突いた。

「親のことはどうでもいいからあなたと友達になりたいって。ショックだったな。憎いとか嫌いとかそんな風に言われたほうが正直楽だった。でも嬉しかった」

 あゆみの瞳に薄っすらと涙が浮かんだ。


 私はあゆみの手を取る。

「ここだと人が来るかもしれない。だから、一度学校を出よう」

 あゆみは私の言葉に頷く。

 そして、彼女を連れ、足早に学校を出る事にした。
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