明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 「もっと優等生の家族なんだからいろいろと厳しいと思っていたのに」

 あゆみは意外そうな顔で私の母親の出したお茶を飲む。

「優等生だから緩いんだと思うよ。だって今まで私は問題起こした事もないもの」

 私はあゆみとどこで話をするか迷い、自分の家に連れてきたのだ。

 幸い学校からも近いからだ。

 母親は学校に行ったはずの娘が友人を連れてきた事に驚くが、深くは追及しなかった。そして、お茶を出してくれたのだ。

「そっか。芽衣もあなたと友人になりたいって良く言っていたな。何か感じるところがあったんだろうね」

 私はあゆみの言葉に頷いた。

「あの日もね、彩乃が休みじゃなかったら違う結果になっていたのかな」

 あゆみはそう言葉を漏らした。だが、私と目が合い否定する。

「そういうつもりじゃないの」

「あの日、何があったの? 私は永田さんからメールを貰って学校にいったら、彼女が飛び降りた後だった」
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