明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「私のしたことはそんなに悪いこと? 警察に訴えるなら訴えればいい。その代わり私は明香がしたことを警察署で話しまくる。もっとも警察もどこまで信用できるかは分からないけれど」

 あゆみは携帯電話を取り出してキー操作をしていた。私はあゆみの携帯電話につけられていたストラップが芽衣があの日教室で探していたものと似ているのに気付く。

 同じものだと思わなかったのはそのストラップが芽衣が持っていたものに対して少しいびつな形をしている気がしたからだ。

 あゆみの携帯電話から明香の自信に満ちた声が聞こえてくる。芽衣に対して言った暴言を録音していたのだろう。

「こういうのってアップしたら効果あるかな」

「どうだろう。でも、もうやめたほうがいいよ」

「いろいろいったけど、きっと建前だよね。でも多分一番許せないのはあの人たちじゃない。あの子を庇えなかった私自身なのかもしれない。庇っていたら、芽衣はしななかったかもしれない。ずっと、そう考えていた」

 そう彼女は悲しそうに微笑んでいた。

 彼女は明香たちに復讐することで、罪を償おうとしたのだろうか。

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