明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

「理由確かめない？」

　私の顔をあゆみはじっと見る。

「理由？」

「私は永田さんが自ら命を絶ったと思っていたの。あの事故の日にありがとうってメール貰った。それが別れの挨拶だ、と。でも、違ったんだね。永田さんは永田さんなりに、自分の状況を解消しようとしていたんだって」

「どういうこと？」

「私にメールを送る少し前に、松下さんに『親に悩んでいる事を打ち明けてみる』ってメールを送っていたの。それはいじめのことだと思う。多分、あゆみには後から送ろうと思っていたんじゃないかな。他の人に見られないためにね」

　彼女は打ち明けたらもう学校には来ることはなくなると思っていたのではないか。

　芽衣の母親ならそうさせるだろう。

　だからこそ、私にあんなメールを送ってきた。恐らく彼女自身が親に言う決意をするために。

「じゃあ、何で？」

「それは私にも分からない。だから、放課後、真実を知る人に聞きに行こう」